逢瀬川第一取水場保存事業

平成28年11月2日(水)
公益社団法人 福島県建築士会 郡山支部 青年委員会及び女性委員会との合同事業として、逢瀬川第一取水場施設の解体を取止め保存と再生の活動をするにあたり、「逢瀬川第一取水場保存・再生の会」を発足する運びとなりました。

『逢瀬川第一取水場について』

その取水場は逢瀬川の川沿いに在り、春には川辺の桜並木が美しく、秋には敷地内の大きな銀杏の黄色が眩しい場所に、今は使われずにひっそりと建っています。地域にとってこの川辺は散歩コースであり、ポンプ室がある景色は地域の方々にとって当たり前の風景となっています。

 

この施設が現在解体されようとしています。

理由としては、現在取水場として運転はされておらず、老朽化に加え東日本題震災による建物の損傷も見られ、安全に管理するには補修工事など新たな費用も必要となる為です。

 

1918年(大正7年)には郡山町の人口は25,000人余となり、当時の豊田浄水場からの給水では不足をきたしたことから、逢瀬川からの取水を目的に郡山市制施行の年1924~1926年(大正13~15年)にかけて着手された水道事業の第一次拡張事業により、麓山に昭和46年まで存在した配水棟(高架水槽)等と共にこの取水場は建設されました。

 

現在、ポンプ室隣りには地元桜木二丁目町内会が小さな集会所を設け、町内の行事に利用しています。2年ほど前、故前二丁目町内会長の発案により新たに集会所を建設するべく建設委員会が立ち上がりました。その際、敷地をお借りしている水道局とも協議を行うこととなり、集会所敷地の継続使用と共に、将来的にはポンプ室とその敷地を開放して市民の集える魅力ある場所にしたいとの構想を示し、解体中止の要望をお話しさせて頂いておりました。

 

我々がこれらの声を受け継ぎ、郡山市の発展を支えた近代水道の歴史的遺産であるこの施設を広く市民の皆様に知って頂くと共に、地域の魅力を高められる貴重な施設として保存活用する活路となる事を願って調査と提案をさせて頂くものです。

 

《参考文献》
◇「郡山市水道史 続編」 編集・発行:郡山市水道局
◇「郡山市水道90年のあゆみ 1912〜2001」 発行:郡山市水道局